2016年2月14日日曜日

故宮博物院90周年・2つの故宮めぐり(台北編その1)

昨年(2015年)は故宮博物院が創設されて90年の記念すべき年。
台北と北京のそれぞれの故宮博物院で特別展が開催されていたので、昨年夏、2つの故宮博物院に行ってきました。
少し時間が経ちましたが、今月から「故宮博物院90周年・2つの故宮めぐり」を連載します。
まずは7月2日から4日にかけて行った台北の國立故宮博物院から始めます。

その前に一言。
2月6日朝、台湾南部を襲った地震で被災されたみなさまに心よりお見舞い申し上げるとともに、被災地の一刻も早い復興をお祈り申し上げます。

平成27年7月2日(木)台北

この日は成田空港発14時30分というゆっくりめの出発。
チャイナエアラインに乗って台北(桃園)空港に到着したのは17時過ぎで、それから市街地まで小1時間バスに乗り、ホテルに着いたのは18時を回っていた。



参加したツアーは、午後出発、夜帰着の台北フリー3日間。
初日は着いて夕食を食べて寝るだけ、二日目に市内を散歩してから夕方に故宮博物院に行って夜までいて、最終日は時間の許す限り市内観光といったおおまかなスケジュールを考えていた。

さて、今日の夕食は何を食べようか。
ホテルの部屋にザックを置いて、台湾素食の店を探しに出かけることにした。なぜ台湾素食かというと、出発前にガイドブックを見ていたら台湾には菜食主義の人が多くいて、素食の店が街じゅうにあると書いてあったので、今回の旅行では台湾素食に挑戦することに決めていたからだ。

泊まったホテルは日本人観光客ご用達の帝后大飯店(エンプレス)。
フロントの人たちも日本語が喋れるので、中国語がほとんどできない私としては心強い。
どの方向に行くと飲食店街があるかフロントの人に聞いて外に出た。

少し歩くといきなりアジアらしい光景が見えてきた。
道の中央に屋台が並ぶ夜市である。

飛行機に乗ればわずか4時間足らず。こんな近くなのに台湾に来るのは今回が初めて。
ひとつ街角を横切ると日本とは全く違うアジアがある。いきなりのアジアの熱気の歓迎にうれしくなってしまう。

雙城街夜市



雙城街夜市のにぎわいを通り過ぎて角を曲がると、あった!「素食」の看板だ。
中に入るとこんなにたくさんの種類の料理がずらりと並んでいて、一皿盛り切りで69元(約280円)。これにみそ汁と五穀米ごはんがつくから驚くほどお手頃な値段だ。


肉のように見えるものあるが、すべて野菜や大豆製品。どれも味がしっかりしていて美味しい。 

店の中の風景。テレビでは僧侶の説教がずっと流れていた。

お店の名前は「明心素食」。私たちはどうやら閉店前にすべりこんだ最後の客だったようで、私たちが精算をして店を出ると、店主ご夫婦は夕食を食べ始めた。
素食は日本の精進料理と同じで仏教と関係が深いのだろうか。このご夫婦はとても信心深いお方のようで、料理の並んでいる台の壁にはかわいいお坊さんの絵が貼ってあったし、テレビで流れていたのは僧侶の説教だったし、店名の両側にはお寺の印がしっかり書かれている。

あとでわかったことだが、台湾素食の店は閉まるのが早い。夜の8時には閉まり、アルコールも提供しない。
夜とはいえ、すでに真夏のような暑さで、喉も乾いたので、帰りがけにファミリーマートで台湾ビールを買って、シャワーを浴びてから、部屋飲みをした。台北の夜に乾杯。