2014年10月29日水曜日

瀬戸内・南紀美術紀行(4)金刀比羅参り

平成25年12月23日(日)金刀比羅参り
この日は終日フリーだったので、ホテルでゆっくり朝食を食べてから琴電の高松築港駅に向かった。


高松築港駅から琴電琴平までは約1時間。子どもみたいに一番前の席に陣取り、しばらく車窓を眺めることにした。

市街地を抜けるとのどかな田園風景が続いていたが、田畑の中に突如イオンモールが出現。
駅の名前も「綾川(イオンモール綾川)」。


途中駅から続々と乗り込んできた、めいめいがおめかしした女子中学生とおぼしき女の子たちの集団が、この駅でドドッと降りてイオンモールの方に向かっていった。
きっと、ショッピングをしたり、映画を見たり、食事をしながら気の合った友達どうしでおしゃべりをして休日を楽しむのだろう。

人の流れは周辺から中心都市に向かうのが普通だが、ここではその正反対。県庁所在地の高松市から隣町の綾川町に人が流れている。

やはりこういったアミューズメント施設の存在は大きい。
地方では高齢化や過疎化が深刻な問題になっているが、若い子たちをひきつけるにはこういった楽しみの場が必要だと思う。

それに若い子だけではない。
帰りには孫を連れたおじいちゃんやおばあちゃんたちが電車に乗ってきた。
どの子も手には買ってもらったお土産の入った袋を持っていて、うれしそうな顔をしている。お年寄りや子供たちにとってもイオンモールに来るのが週末の楽しみの一つになっているようだ。


琴電琴平線は単線なので、途中駅で対向電車とすれちがう。
終点から4つ手前の岡田駅でもすれちがったが、こちらの車両は直進し、対向車両が向かって左側の線路に入っていった。
なんとこの駅だけは右側通行になっている!



金刀比羅さんでは、暮れも押し詰まってきたので初詣客を迎え入れる準備であわただしい。


それでもここ表書院は静けさに包まれていた。
この日のメインテーマは表書院の円山応挙(1733-1795)の障壁画。
水飲みの虎が表書院の門の前でお出迎え。

受付を入ってすぐが鶴の間。
その隣が虎の間で、次に七賢の間、山水の間、上段の間と続く。

虎の間では、いろいろなしぐさや表情をした虎が描かれているが、応挙の虎はどれも猫のように可愛い。
桃山時代ならともかく、鎖国してからかなりの年月がたった応挙の時代は、絵師たちも本物の虎を見る機会はなかったであろう。

これは応挙がモデルにした猫?
何も知らず参道にたたずんでいる。


こちらは受付でいただいたパンフレット。
上段の間(右下)には迫力のある滝が描かれていて、水の落ちる音が聞こえてくるようだ。


右側にある虎の顔がどれも猫のようにかわいい。


このあとは参道の階段を上って御本宮でお参り。
御本宮前の舞台から見る讃岐平野はどこまでものどかに見えて、何となくほっとする。



お昼は、何年か前、金刀比羅さんにお参りに来たときに食べておいしかった浪花堂餅店の餅を食べようと決めていた。
以前はなかったが、今では参道に新しいお店を出していて、奥で座って食べられて、お茶までセルフサービスで飲めるのがうれしい。
写真は5個入りあん餅で、左からヨモギ、白、キビ、黒豆、アワ。餅にはこしがあり、中には自家製の粒あんがたっぷり入っているので結構腹もちがいい。


食事のあとは宝物館へ。

ここには狩野三兄弟(探幽、尚信、安信)が手分けして描いた三十六歌仙額が展示されている。
こぎれいにまとめる探幽、大胆な筆づかいの尚信といった印象のある二人の兄と比べて実力的には見劣りのする末っ子の安信ではあるが、三人とも気合を入れて衣装の細やかな模様なども丁寧に描いていて、安信もそれほどそん色のないできになっている。「安信再発見」です。

宝物館は北宋・徽宗皇帝の「白鷹図」を所蔵しているので楽しみして来たが、今回は展示されていなかったのは残念。展示している時を見計らってまた来なくては。


宝物館については金刀比羅宮宝物館のホームページをご覧ください。
 ↓

ここであらためて金刀比羅宮のホームページをチェックしてみたら、この時期限定で奥書院も公開しているという。
奥書院の伊藤若冲の障壁画「花丸図」は7年前に東京藝大で開催された「金刀比羅宮書院の美」展で本物と複製で再現された上段の間を見たが、できればその場で本物を見てみたい!
期間は11月30日まで。ん~、行ってみたいけど行く時間はたぶんないだろうな~。

(瀬戸内紀行はここでおしまいです。引き続き南紀紀行を続けますが、今年も残りあとわずかなので、ペースを早めてアップしていきます(汗))
〈Y〉