2014年4月16日水曜日

瀬戸内・南紀美術紀行(2)大塚国際美術館その2

平成25年12月22日(土)大塚国際美術館続き
システィーナ・ホールの隣はパドヴァのスクロヴェーニ礼堂を再現したホール。


1991年のイタリア旅行では、ちょうどクリスマスイブの12月24日にパドヴァを訪れた。
本物のスクロヴェーニ礼拝堂の中は深々と冷え込んでいたが、誰もいない空間は厳かな空気に包まれ、時がたつのも忘れてジョットのフレスコ画を一枚一枚じっくりと見ることができた。
しかし、今ではフレスコ画の保存のため、見学は完全予約制で、見学時間は15分に制限されているという。
一方、ここ大塚国際美術館のスクロヴェーニ礼拝堂は、室内は暖房完備で暖かく、時間を気にすることなくイタリア旅行の気分を味わうことができる(もちろん他にも見たい作品がたくさんあるので時間配分に気をかける必要があるが)。
さらに、この日は隣のシスティーナ・ホールから少年少女合唱団の歌声が聞こえてくるので、まるでクリスマスをイタリアですごしているかような気分になった。
もう一度現地に行ってみたいという気もするが、せわしないものいやだし、ここでも十分イタリア気分を味わうことができると思う。

こちらは空にハレーすい星が描かれている東方三博士の場面。

奥に見える建物が本物のスクロヴェーニ礼拝堂。

こちらもジョットの作品、アッシジのサン・フランチェスコ教会のフレスコ画「小鳥への説教」。

アッシジにも1991年のイタリア旅行で訪れている。アッシジは山あいの小さな街。石造りの教会や家々が夕陽に映える。


その2年後にイタリア旅行をしたときにはミラノにも行った。
もちろんレオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」で有名なサンタ・マリア・デラ・グラッツィエ教会にも行ったが、そのときはちょうど修復作業を行っている最中で、絵は遠くからしか見ることができなかった。




それでも今から考えてみると、修復作業という一大イベントがまさに行われているところとを見るという貴重な体験ができてよかったのだと思う。

大塚国際美術館には、修復前と修復後の「最後の晩餐」が再現されている。

上が修復前で、下が修復後。




個人的には、画集など見慣れているせいか、修復前の方がなじめるし、古くなっている分、緊張が走る一瞬の厳粛な雰囲気が出ているような気がしますが、みなさんはとうでしょうか?
ちなみに、現地では見学は完全予約制で、15分間の時間制限があるそうですが、ここでは時間の制限はないので、実際にじっくりと見比べてみてください。
<Y>
(次回に続く)