2013年6月24日月曜日

天気晴朗ナレド波高シ~横須賀軍港めぐり~(1)

このところ梅雨らしい日が続き、台風まで接近してきたので天気が心配だったが、先週の土曜日は朝から晴れ間が見えてきて絶好の軍港めぐり日和になった。
あと気がかりなのは日本の護衛艦や米軍の艦船がどれだけいるかだ。
こればっかりは軍事機密なので事前にはわからない。

ということで期待と不安を胸にまずはJR横須賀駅。


軍港めぐりの汐入ターミナルまではヴェルニー公園の中を歩いていくことになる。
公園に入ってすぐに目に入ったのは灰色の鋼鉄のかたまり。
よかった、護衛艦だ。



DD-156は第二世代汎用護衛艦「あさぎり」型の「せとぎり」。定係港は大湊なので訓練の途中で立ち寄ったところなのだろうか。
手前は第三世代汎用護衛艦「むらさめ」型の「ありあけ」。「ありあけ」も定係港は横須賀でなく佐世保だ。




汐入ターミナルでチケットを買い、桟橋に向かうと、すでに乗船を待つ人の長蛇の列。
親子連れや年配のご夫婦、若いカップル、いかにも軍艦マニアのおにいさん、とさまざま。軍港めぐりは幅広い世代に人気があるようだ。

これが私たちの乗船する「Sea Friend Ⅴ」号。


定時に出航してまず出迎えてくれたのは鋼鉄の黒い塊、海上自衛隊の潜水艦だ。

続いて米海軍イージス艦 アーレイ・バーク級のラッセン(Lassen DDG-82)。


「こんごう」とか「きりしま」とか山の名をもつ日本のイージス艦は、その名のとおり見上げるほど艦橋が大きく威風堂々としている感があるが、アメリカのイージス艦の艦橋はコンパクトにまとまっている。


さらに進むと、イージス艦ジョン・S・マケイン(John S.McCain DDG-56)。
ジョン・S・マケインは、昨年12月に続き、今年4月にも北朝鮮の弾道ミサイル発射の動きに対応して
朝鮮半島沖に派遣されていた。


任務を終えて横須賀に戻り、フェイズドアレイレーダーの調整を行っている珍しいシーン。

 


米第七艦隊のイージス艦群。左からモンセン(Momsen DDG-92)、ステゼム(Stethem DDG-63)、カーティス・ウィルバー(Curtis Wilbur DDG-54)、そしてジョン・S・マケイン。
これだけ多くのイージス艦が並ぶと壮観だ。
世界中に103隻しかないイージス艦のうち84隻も保有しているアメリカの海軍基地ならではの光景。


イージス艦の隣、赤と白の巨大なクレーンの横が原子力空母「ジョージ・ワシントン」の停泊地。
前日の朝に出航してしまったようだ。

海上自衛隊のエリアに近づいてい来ると、珍しく退役した潜水艦が係留されている。
本来であれば解体されるのだが、そのまま保存されているのは珍しいという。


赤と白の鉄塔のある建物は自衛艦隊司令部。
前に停泊しているのは、右から海洋観測艦「にちなん」(AGS5105)、「しょうなん」(AGS5106)。


こちらは掃海艇「はちじょう」(MSO303)。
海上自衛隊もFRP(繊維強化プラスチック)製掃海艇にシフトする中、貴重な存在となった木造の掃海艇。

軍港めぐりとは関係ないが、我が横浜ベイスターズの練習場。

4月1日に退役したばかりの第一世代汎用護衛艦「はつゆき」型の「さわゆき」。
「はつゆき」型の特長である船体中央の大きな煙突がよくわかる。
「はつゆき」型は昭和57年から62年までに12隻建造され、すでに旧式化しているため、4隻が除籍、3隻が練習艦に種別変更され、5隻だけが護衛艦籍に残り、地域配備部隊に配属されている。


「さわゆき」の隣が、新兵器などを搭載し試験を行う試験艦「あすか」(ASE6102)。


続いて補給艦「ときわ」(AOE423)。


そしてこちらはヴェルニー公園からも見えた第二世代汎用護衛艦「あさぎり」型の「せとぎり」。
「あさぎり」型は昭和63年から平成3年までに8隻が建造され、一時練習艦に種別変更された艦もあったが、現在ではすべて護衛艦籍にある。
後部の巨大なヘリ格納庫が大きな特長。


続いて現時点での最新鋭護衛艦「てるづき」。
「てるづき」は第五世代汎用護衛艦「あきづき」型の2番艦で、今年の3月に就航したばかり。
「さわゆき」や「せとぎり」に比べて洗練されたスマートな船型になっている。
「あきづき」型はあと2隻、「すずつき」と「ふゆづき」が建造中で、来年3月に竣工予定。


こうやってヘリ格納庫の中まで見えると、プラモデルをつくるときに役に立つからうれしい。

「てるづき」の後ろは、やはりヴェルニー公園から見えた「ありあけ」。
「ありあけ」は、平成8年から14年までに9隻建造された第三世代汎用護衛艦「むらさめ」型の最終艦。
船体があか抜けてきたのは第三世代からだろうか。



日本のイージス艦「きりしま」やヘリ搭載護衛艦「ひゅうが」も、さらに「ジョージ・ワシントン」も不在だったが、五世代のうち四世代の汎用護衛艦のスタイルの違いを期せずして比較することができたのは大きな収穫。
平成15年から18年にかけて5隻建造された第四世代汎用護衛艦「たかなみ」型は見ることができなかったが、「たかなみ」と「おおなみ」は「てるづき」と同じ第6護衛隊に属し、横須賀を定係港としているので、いつかはお目にかかることができるだろう。
45分のクルーズを終えたばかりであったが、また近いうちに来たくなった。
<Y>
(次回に続く)